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成績最下位からのスタート
1995年、防衛医科大学校医学科を卒業しましたが、学生時代の成績は散々たるものでした。当時、小児科教授からは「十河は小児科に来なくてよい」と言われるほど、学業においては冴えない存在でした。研修医時代も同様で、ある教授には「何を言っているのかわからない」と指摘され、後年には当時の指導医から「十河は本当に大丈夫か?と心配していた」とまで言われました。
それでも、地道な取り組みと試行錯誤を続けた結果、私は「日本全国、さらには海外から患者さんが訪れる診療チーム」を築くことができました。その道のりを振り返りながら、私が取り組んできた内容をお伝えします。
2001年:自衛隊横須賀病院での経験
防衛医科大学校病院での小児科専門研修を終えると、通常は自衛隊の部隊に配属されますが、私は航空自衛隊航空幕僚監部首席衛生官室への勤務を打診されました。この部署は航空自衛隊の医療を司る行政部門で、出世コースとされていました。しかし、「やっぱり臨床をやりたい!」という気持ちが強くなっていた私は、出世コースを断り、自衛隊横須賀病院で小児科兼内科の医官として勤務する道を選びました。
当時、自衛隊横須賀病院には小児科がなく、小児患者の集患から始めなければなりませんでした。入院も外来もほとんど患者がいない状況でしたが、私はこれをチャンスと捉え、消化器内視鏡と腹部超音波検査の技術を徹底的に磨きました。この経験が、私のキャリアの原点となりました。
2003年:国際医療福祉大学熱海病院での挑戦
2003年、自衛隊を退職し、防衛医科大学校小児科時代の上司2人とともに、国際医療福祉大学熱海病院小児科の立ち上げに参画しました。この2人の上司は小児肝臓学の専門家で、私には小児消化器疾患の診療、特に内視鏡検査を期待されていました。
上司同士が対立することもありましたが、その間に入って調整しながらチーム作りを進めました。私は上司を三国志の劉備玄徳に例え、自分は軍師の諸葛孔明であると公言していました。私が裏で戦略を考え、上司が前面に立つ。時には私自身が一兵卒として最前線で働く。そんな役割分担を通じて、診療スタイルを確立していきました。
2007年:済生会横浜市東部病院での飛躍
2007年、諸事情により済生会横浜市東部病院へ移動しました。ここで掲げた目標は「東部病院を日本のメイヨークリニックにする」ことです。メイヨークリニックは患者中心の医療を促進する病院であり、国際的にも高い評価を得ています。
この目標のもと、小児肝臓消化器科の診療を続け、患者さんや紹介元医療機関から信頼される診療チームづくりに取り組みました。特に、他職種との連携、システム化、仕組み作りに重点を置きました。初期の頃は私がメインプレイヤーとなり、何日も家に帰れないこともありましたが、次世代に引き継げる仕組み作りを心掛け、持続可能な診療チームを築き上げました。
日本全国、そして海外から患者が集まる診療チームへ
現在、私たちの診療チームには、北は北海道、南は沖縄まで日本全国、さらには海外からも患者が訪れるようになっています。また、地域医療機関からの紹介も多数を占め、地元医療の中核としての役割も果たしています。
そして、いくつかの日本一がある、あるいは世界一がある診療チームになりました。日本一、世界一の詳細は本編の中でご紹介します。
さらに、専門である小児肝臓消化器疾患に関しては、日本全国から講演やセミナーの依頼が届くようになり、海外からも講演やハンズオンセミナーの依頼を受ける機会が増えました。
振り返ればNLP的に理にかなった取り組み
私がNLP(神経言語プログラミング)を知ったのは2015年のことです。そして、正式にスクールに通い始めて学びを深めたのは2019年からでした。しかし、それ以前に取り組んでいた診療チームづくりの多くが、振り返ってみるとNLP的に理にかなっていたことに驚きました。
たとえば、患者さんや紹介元の医療機関とのラポール(信頼関係)を築くために、言葉の裏にある相手が何を求めているのかを深く考えながら行動していました。これはNLPでいう「チャンクアップ」や「肯定的意図」、「相手の世界観を尊重する」といったアプローチそのものです。また、チームメンバーの特性や強みを活かして役割を任せることや、具体的な成果を示しながら小さな成功を積み重ねるやり方も、後にNLPを学んでその有効性を再認識しました。
本書で伝えたいこと
本書に記載した内容は、私が試行錯誤しながら築き上げてきた診療スタイルの集大成です。それは、NLPを学ぶ前から実践していた行動が、実際にはNLPの理論に裏付けられていたことを証明しています。
「患者さんに選ばれる医療機関」をつくるのに特別な才能や環境は必要ありません。少しの工夫と具体的な行動がその鍵です。本書を通じて、私たちの診療スタイルをモデリングし、あなたの診療に応用していただければ幸いです。この本が、あなたの診療チームの未来を切り拓く一助となることを願っています。
以上の形で、文章を整えました。この構成なら、読みやすさを保ちながら内容の流れも自然です。さらに調整が必要でしたら、お知らせください!
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