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患者満足度も病院収益も上がるのに、なぜ医療機関は「NLPコーチング」を導入しないのか?

  • 執筆者の写真: 十河 剛(そごう つよし)
    十河 剛(そごう つよし)
  • 3月27日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月31日

「医療現場にコーチング?」──最初は誰もがそう思います


「コーチングって、企業のマネージャーとか、営業職向けのものでしょ?」 そんなふうに思っていた時期が、私にもありました。

でも今、世界中の病院で「プロフェッショナル・コーチング」が、 医師、看護師、薬剤師、医療管理者といった あらゆる職種の人材育成と職場環境改善のために導入され始めています。

そしてここ数年、コーチングが医療現場にもたらす変化は、静かに、けれど 確実に“革命”と呼べるレベルに達しようとしています



そもそも、医療現場の何が問題なのか?


  • 「気づけば誰かが辞めている」

  • 「バーンアウトしていても相談できない」

  • 「患者さんからのクレームが増えている気がする」


こんな悩み、あなたの職場にもありませんか?

これは個人の問題ではなく、医療業界全体が抱える“構造的ストレス”なのです。

人手不足、感情労働、マルチタスク、そしてコロナ禍── どれも回避できない現実です。


ではどうすればいいのでしょう?



正解は「コーチング」でした、しかも、エビデンスあり


医師を対象にした研究では…

医師にコーチングを導入したことで、バーンアウトが有意に軽減され、 仕事の満足度・自己効力感・人生の幸福度が向上したという報告があります[1]。

しかもその効果は6ヶ月後も継続し、感情の回復力(レジリエンス)も強化されたとのこと[2]。

さらに医師全体を対象にしたメタアナリシスでは、コーチングが心理的苦痛、燃え尽き、仕事の満足度、福祉など多くの側面で有益であることが示されています[3]。



実例:コーチングで“患者満足度”と“病院の収益”の両方がアップ!!


アメリカの大手病院グループが実施したある取り組みでは、 看護師の申し送り(シフト引継ぎ)をベッドサイドで患者の前で行う「BSR:ベッドサイド・シフト・レポート」という仕組みを導入しました。

そしてその実施をスムーズにするために、コーチングを併用したのです。


その結果──

  • 患者満足度が大幅に向上(病院を5点満点で評価するスコアが改善)

  • VBP(バリュー・ベースド・ペイメント:アメリカの診療報酬制度)における“報酬ポイント”も増加


つまり、

「患者の満足」と「病院の報酬」が同時に上がった」のです[4]

※VBP:患者満足や医療の質に応じて病院の診療報酬が変動する制度(アメリカの医療機関で導入)



「医療職」全員に恩恵がある


  • 看護師:自己効力感アップ、離職率ダウン [5]

  • 教育者:やりがい・専門性が高まり、キャリア継続意欲が向上 [6]

  • 薬剤師:患者との関係改善、アドヒアランス向上 [7]

  • 若手外科医:成長課題に応じた個別支援 [8]

  • 医療スタッフ全体:業務満足度と心理的安全性の向上 [9]

  • 患者支援:意思決定支援コーチングが知識向上に有効 [10]




どうせ導入するなら、「NLP」も選択肢に


ここまで読んで「よし、コーチングをうちの病院でも導入しよう」と思った方へ、最後に一言。


どうせやるなら、NLP(神経言語プログラミング)も活かしてみませんか?


NLPは、言語・行動・感情のパターンを見える化し、再構成することで変化を促す実践心理学です。臨床現場では、患者との信頼関係構築、共感力向上、コミュニケーションの質の改善に役立つことがわかっています。


実際に、精神科の臨床面接にNLPを導入した研究では、変化への受容性が高まり、医療者・患者双方の対話の質が向上したと報告されています[11]。


また、歯科医療の現場では、患者の不安を和らげるための言語パターンや行動誘導の技術として、NLPが実践的に活用されています[12]。


つまり、NLPは“コーチング的な支援”を実現する別の実践枠組みとして、医療の現場でも十分に活用可能なのです。



まとめ


NLPコーチングは

✔️ 医療者のウェルネスを守り

✔️ 患者満足度を高め

✔️ 組織の経営指標まで改善させ


そんな可能性を秘めた、まさに医療現場のアップデート手段です。


そしてNLPは、それを実践的・心理学的に支える補完的ツールとして注目に値します。


どうせ導入するなら、NLPも含めて考えてみる。

──それが、今、医療現場の新しい常識です


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文献一覧

  1. Dyrbye LN, Shanafelt TD, Gill PR, et al. Effect of a professional coaching intervention on the well-being and distress of physicians. JAMA Intern Med. 2019;179(10):1406–1414.

  2. Dyrbye LN, Gill PR, Satele DV, et al. Professional coaching and surgeon well-being: A randomized controlled trial. Ann Surg. 2022;275(3):533–540.

  3. Boet S, Larue C, Sharma B, et al. Effectiveness of coaching on physician wellness: A systematic review. BMJ Open. 2023;13:e073702.

  4. O'Donnell E, George V, Moore E, et al. Coaching to bedside shift report and its correlation to patient experience and hospital value-based purchasing. J Healthc Leadersh. 2023;15:11–21.

  5. Narayanasamy A, Penney V. Coaching to promote professional development in nursing practice. Br J Nurs. 2014;23(11):568–573.

  6. Selling J, Rooholamini S, Allen R, et al. Effects of coaching pediatric residents on faculty: Learning, relationships, and professional identity formation. Acad Med. 2022;97(6):853–859.

  7. Lonie JM, Austin Z. Pharmacist-based health coaching: A new model of pharmacist–patient care. Res Social Adm Pharm. 2017;13(3):644–652.

  8. Pepe J, Faculty T, Surgeons R, et al. Coaching for surgical residents: A single-institution experience. J Surg Educ. 2023;80(4):675–682.

  9. Ammentorp J, Jensen HI, Uhrenfeldt L. Danish health professionals’ experiences of being coached: A pilot study. Clin Nurs Stud. 2013;1(4):32–39.

  10. Jull J, Köpke S, Légaré F, et al. Decision coaching for people making healthcare decisions. Cochrane Database Syst Rev. 2021;11:CD013385.

  11. Ducasse D, Fond G. Communicating effectively: Neuro-linguistic programming in the psychiatric interview. Soins. Psychiatrie. 2014;291:36–39.

  12. Macleavy C. Essential neuro-linguistic programming in dentistry. Dent Nurs. 2011;7(8):442–445.

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